エストニア/フィンランド
戦争/アクション
DVD観賞
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1940年代、独ソに翻弄されたエストニアを舞台に描いた戦争アクション。
エストニア人でありながら、ナチス・ドイツとソ連赤軍に分かれて戦わざるを
得なかった人々の悲劇を、それぞれの視点から炙り出す。
本物の戦車や武器を用いた戦闘シーンは迫力満点。
製作総指揮はクリスチャン・ラフ、監督はエルモ・ニュカネン。
出演はクリスチャン・ウックスクラ、カスパール・フェルバート、
メイケン・シュミット、ヘンドリック・カルメ。
(キネマ旬報社さんより抜粋)
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ドイツ武装親衛隊に属する、エストニア人のカール・タミクの両親と妹は、
ソ連赤軍によって極寒のシベリアに追放された。
1940年から始まったソ連による弾圧は、多くのエストニア人が悪評高きナチス
・ドイツに身を寄せるきっかけとなり、カールもその中の一人となっていた。
一方、カールと同じエストニア人のユーリ・ヨギはソ連赤軍の上級軍曹であり、
彼は1939年、兵役によりソ連のエストニア国防軍に召喚されていた。
上官からの信頼も厚い彼は、ソ連に忠実に任務をこなす毎日を送っていた。
そんな中、同じエストニア人であるカールとヨギは敵同士に分かれる形で、
戦場で遭遇する。
それはエストニアの独立が不可能な時代に起きた悲劇の戦いであった。
愛するエストニアの国土がドイツとソ連の戦車、地雷に埋め尽くされ、
同胞同士のあまりにも苛烈な戦闘が続く。
爆炎と硝煙の中で二人が見たものとは一体・・・
(Amazonさんより抜粋)
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予告映像で迫力ある戦闘シーンが流れていたので、コレは興味深いなぁと
思って借りてみることに。
コレはなかなかに見応えあった。
ナチスドイツとソビエトという大国に挟まれた小国エストニアの住人が大国の
エゴで兵士として駆り立てられ、知らず知らずの内に同胞同士で戦い合う悲劇
と悲哀を描いた内容でなかなかに見応えある内容だった。
始まって早々、カールを始めとするエストニア人で構成されるドイツ擲弾兵
部隊が籠る塹壕に、赤軍部隊が攻めてくる所から始まり、陣地の獲った獲られた
を繰り返したのちに、敵が赤軍エストニア人部隊であることが判明したかと
思えば、ここで主人公のカールが戦死してしまう。
えっ!っと思うのもつかの間、以降はカールを殺した赤軍エストニア人部隊の
ヨギが主人公となって、ソ連側についたエストニア人視点でエストニア戦線の
推移を描いていく斬新な構成。
そんなヨギもラストにえっ!って感じのあっけない死を迎えてしまうのも
なかなかに衝撃だったな。
こういう感じの戦争物って一応主人公は最後まで生き残るパターンが多いのに
二人ともあっけなく死んでしまう所が何だか戦時の現実っぽさを感じさせる。
それと戦闘シーンの迫力がイイ。
T-34シリーズが何両も登場してきたかと思えば、T-34が塹壕を踏み越えて侵入
してきて、それに対してドイツ兵が塹壕から出てきてT-34の後方からパンツァー
ファウストを撃ちこむとかCGを使わない迫力ある戦闘シーンは痺れる。
ただ一つ、文句を言うなら現地住民と一緒に撤退するドイツ兵部隊に赤軍戦闘機
が空襲を仕掛けてくるシーンだけは現物の飛ばせる戦闘機がないからCGで描いて
いるんだろうけど、この戦闘機CGが結構酷い。
とは言え、書物なんかでは知っていたエストニアの歴史なんだけど、こうやって
映像で観ると国を失うってことがどういうことなのかって改めて窺い知る機会に
なったかな。
お薦め度:★★★★☆(4/5)
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